WordPress副業を始めて「ちょっと収入が増えてきたかも…」と嬉しい反面、頭をよぎるのが税金の話。「確定申告ってしなきゃいけないの?」「どこまでが経費になるの?」という不安を抱えていませんか?
実は、WordPress副業における税金対策は思っているより複雑ではありません。しかし、正しい知識がないと本来受けられるはずの節税メリットを逃してしまったり、逆に脱税になってしまうリスクもあります。
この記事では、WordPress副業を始めたばかりのあなたが抱える税金の疑問について、具体例を交えながら分かりやすく解説していきます。「安心して副業に取り組める状態」を一緒に作っていきましょう。
WordPress副業で税金が発生するケースを理解しよう
20万円ルールの正しい理解
副業による所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になります。ここで重要なのは「収入」ではなく「所得」という点です。
具体例で見てみましょう:
– WordPress副業の年間収入:30万円
– 経費(サーバー代、テーマ代、書籍代など):12万円
– 所得:18万円(30万円 – 12万円)
この場合、所得が20万円以下なので、所得税の確定申告は不要となります。売上が25万円で経費が10万円かかっていれば、所得は15万円で20万円を超えていないため、確定申告は不要となります。
住民税は別の話!忘れがちな落とし穴
ところが、副業の所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要でも、住民税は別途申告が必要です。これは多くの人が見落としがちなポイントです。
所得税は国税ですが、住民税は地方税で別々の制度となっています。住民税は20万円ルールのような特例措置はありませんので、1円でも所得があれば申告義務があります。
新しい税制改正の影響について
令和7年度税制改正でも副業の「20万円ルール」自体に変更はありません。基礎控除の改正により副業の確定申告に間接的な影響は生じますが、従来通り、副業の所得が20万円を超えれば確定申告が必要で、20万円以下では不要となります。
WordPress副業で経費として認められるもの・認められないもの
必ず経費になるもの
WordPress副業であれば、以下の費用は間違いなく経費として認められます:
1. 直接的な運営費
– レンタルサーバー代
– ドメイン取得・更新費用
– WordPressテーマ購入費
– プラグイン費用
2. 作業環境関連
– パソコン購入費(副業専用、または家事按分)
– インターネット通信費(家事按分)
– 作業用デスクや椅子
3. 学習・情報収集費
ブログを書くには、その前提になる知識のインプットも重要で、書籍の購入代金やセミナー参加の費用も経費になります。特に副業に関連する書籍は「新聞図書費」として計上できます。
家事按分が必要なもの
自宅で作業する場合、以下は「家事按分」により一部を経費計上できます:
– 家賃・住宅ローンの利息部分
– 電気代
– 携帯電話代
家賃や水道光熱費なども家事按分することで経費とできます。
按分の目安:
– 作業スペースが家全体の10%なら10%を経費計上
– 1日8時間作業なら電気代の約30%(8時間÷24時間)を経費計上
判断が微妙なもの・注意が必要なもの
書籍代: 副業に関連する内容であれば経費として認められますが、毎日の購入は社会通念上認められない可能性があります。
外食費: 取引先との食事は接待交際費として認められ、カフェで1人で作業していても経費になることがありますが、毎日の食事を経費にするのは問題です。
取材費・交通費: 記事執筆のための取材にかかる交通費は経費になりますが、観光や趣味が混在する場合は按分計算が必要です。
効果的な節税テクニック7選
1. 青色申告を選択する
青色申告で確定申告を行った場合、最大65万円の青色申告特別控除が受けられるなど大きな節税メリットがあります。複式簿記とe-Taxを利用すれば65万円控除、利用しない場合でも55万円控除が受けられます。
2. 少額減価償却資産の特例を活用
取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合に、費用をまとめて経費として計上できる制度があります。パソコンやカメラなど高額な機材を購入した年に一括で経費計上できるため、大きな節税効果が期待できます。
3. 適切な記帳と証拠保全
副業収入において、帳簿や請求書などを保存している場合は原則『事業所得』とするとされており、しっかりとした記帳により雑所得ではなく事業所得として認められる可能性が高まります。
4. 損益通算の活用
副業が赤字の場合は損益通算を行うことで所得を抑えられ、節税につながります。ただし、雑所得は損益通算ができないため、事業所得として扱われるよう準備が重要です。
5. 経費の見落としをなくす
副業収入が24万円ある場合、「経費」が4万円以上あれば確定申告をする必要が無くなるなど、経費計上により申告義務のボーダーラインを下回れる場合もあります。
6. 還付申告の活用
住宅ローン控除や医療費控除を受ける場合は、確定申告によって納めすぎた税金の一部が戻ってくる可能性があります。副業の所得が20万円以下でも、還付を受けるために申告することで税金が戻ることがあります。
7. 住民税の徴収方法を「普通徴収」に
確定申告書の第二表にある「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の欄で、自分で納付する項目にチェックをつけておくことで、会社に副業がバレるリスクを軽減できます。
実際の確定申告の流れと注意点
確定申告が必要になる具体的ケース
ケース1:会社員の田中さん(30代)
– 本業年収:400万円
– WordPress副業所得:25万円(収入35万円-経費10万円)
– 結果:20万円を超えているため確定申告が必要
ケース2:会社員の佐藤さん(30代)
– 本業年収:350万円
– WordPress副業所得:18万円(収入30万円-経費12万円)
– 結果:所得税の申告は不要だが、住民税の申告は必要
申告しないリスクについて
副業の所得が20万円を超えているにもかかわらず、確定申告をしない場合、本来納めるべき所得税に加えて延滞税や無申告加算税が課される可能性があります。
– 延滞税:法定納期限の翌日から納付日まで日割り計算
– 無申告加算税:原則15%~20%、自主申告なら5%
確定申告の準備で押さえるべきポイント
1. 領収書・レシートの保管
経費を計上する際は領収書やレシート、出金伝票などを保管したうえで、税務署から税務調査で指摘されても根拠を提示できるように準備しておくことが重要です。
2. 会計ソフトの活用
freee会計なら月額980円から利用でき、自分でも簡単に確定申告書の作成・提出までを完了できます。手作業での計算ミスを防げます。
3. 申告期限の確認
所得税の納付は、翌年の2月16日~3月15日の確定申告期間中に申告・納付するのが基本です。
WordPress副業を成功させるための税務戦略
長期的な視点での節税計画
WordPress副業が軌道に乗ってきたら、単年度の節税だけでなく、複数年にわたる税務戦略を考えることが重要です。
成長段階別の対策:
– 年収20万円以下:住民税申告を忘れずに
– 年収20万円~100万円:青色申告の検討、経費の適切な計上
– 年収100万円以上:法人化の検討、より高度な節税対策
税理士相談のタイミング
売上が伸びているブロガーやアフィリエイターの方は、法人化したうえで節税を徹底したいと考える傾向がありますが、まずは基本的な申告をしっかりと行うことが大切です。
年収が100万円を超えてきたら、税理士への相談を検討しましょう。税理士に代行依頼をすると確定申告書類の作成に5万円〜10万円程度かかってしまいますが、より複雑な節税対策や法人化の検討には専門家のアドバイスが有効です。
まとめ:安心してWordPress副業に取り組むために
WordPress副業における税金対策は、最初は複雑に感じるかもしれませんが、基本的なルールを理解すれば決して難しいものではありません。
今すぐできる3つのアクション:
1. 所得の把握:月々の収入と経費を記録する習慣をつける
2. 経費の見直し:見落としている経費がないかチェックする
3. 申告の準備:会計ソフトの導入を検討する
副業でかかった経費を計上することで所得金額を抑えることができ、節税につなげることも可能です。しかし、節税対策を徹底するなら、まずはお金がかからないものから実施しましょう。
税金の不安を解決して、安心してWordPress副業に取り組める環境を整えることで、より積極的にサイト構築や収益化に集中できるはずです。分からないことがあっても、一つずつ確実に理解していけば大丈夫。あなたの副業成功を心から応援しています!
次のステップとして、実際の記帳方法や具体的な経費計上のやり方について詳しく学び、WordPress副業を安心して続けていきましょう。


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